星守る犬



星守る犬(村上たかし著 双葉社)読了。


犬の視点から描かれた村上たかし初のストーリー漫画。


著者の村上たかしは週刊ヤングジャンプで四コママンガを連載していたので、名前は知っていた。紀伊国屋書店にふらっと立ち寄った際に、帯の重松清の推薦文と『ダヴィンチ』今月の絶対はずさない! プラチナ本として説明されていたのを見て衝動買い。


書店にいくとこういう出会いがあるから面白い。


ある日、ごく普通の三人家族の元に捨て犬がやってくる。長女が拾ってきた犬だ。ハッピーと名付けられたその犬は長女に遊んでもらい、母にご飯を食べさせてもらい、夕方には父に散歩に連れて行ってもらう。そんな日常が過ぎ去っていくが、家族には、ほんの少しずつ変化が生まれてくる。


長女はハッピーと遊ばなくなり、ご飯をくれるのは母から父に代わり・・・けれど散歩はいつも父が連れて行ってくれる。ただ、その散歩は夕方ではなく、昼間に行くことが多くなった。それも途中で父は「ハローワーク」というところや「病院」に立ち寄る。その間、犬は外で待ちぼうけ。


少しずつ、ほんの少しずつの変化はやがて、父と母の離婚問題へと発展する。ローンの残ったマンションを売り払って、雀の涙ほどしかないお金をさらに財産分与で分ける。行き場のなくなった父。


「引っ越し先探すにしたって、犬連れOKのとこ 家賃高いし」
「よーし 決めたぞ!!」
「南へ行く!! ずっとずっと南 オレの故郷だ」


「お前を野良にしないために行くんだぞ 感謝したまえ」
「はい おとうさん!!」


そして父とハッピーの車での旅が始まる。


父とハッピーのいわばロードムービー。北野武の『HANABI』を思い出した。その道中はロードムービーをよく見た人なら「ありきたり」と思うかもしれない。だが、ハッピーの


「はい おとうさん!!」


という言葉がなんとも言えず胸を突く。一人と一匹のやりとりがなんとも言えず切ない。


いつか映画化されるんじゃなかろうか。けど、1時間半~2時間の長さになると薄められるか、
ごてごてと装飾されるんだろうな・・・




星守る犬
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まさかの展開



日曜日のお楽しみの『仮面ライダーディケイド』


・・・えぇぇぇぇぇ!!!


と思った方も少なくないのでは。まさかの展開(もちろん、悪い意味で)。最終回ということで、かなりの期待をしてみたのだが・・・あいかわらず、伏線は回収できず・・・。


「続きは劇場で」


って言われてもなぁ・・・。現在公開中ならまだしも、12月って・・・


忘れてますよ、内容なんて。うーん、浦沢直樹の『二十世紀少年』方式とでもいうべきか。


アマゾン編はいらんかったんちゃうんかなと思うが、どうだろう? +2話分あれば十分に描けるだろうし。謎として残ったのは、


門矢士がいったい誰なのか
鳴滝はどういう存在なのか
消えてしまったライダーたちはどうなったのか?
オリジナルライダーたちと消えてしまったライダーたちの整合性は?(まったく別物といっていたのに、オリジナルキャストを出した以上、その辺りのつじつまを合わせないといけないはず。あっ、全員出せって言ってる訳ちゃいますよ)


といった所か。しかも、『仮面ライダーW』との関連性での上映らしいから、なかなか物語の核心には触れる時間がないだろうし・・・。ボクのもっている乏しい情報から考えると、


仮面ライダーWは二人の人間が融合することで変身する
仮面ライダーディケイドは様々な世界が融合することで、元あった世界が消えてしまう


融合してもお互いの特徴を保ち続ける仮面ライダーWという存在がディケイドおよび九つの世界の危機を救う手がかりになる


という所だろうか。・・・う~ん・・・でも納得いくかなぁ。仕掛けとしてはそれなりかもしれないけれど、やり口がなぁ・・・

補習と言う名の・・・


以前からご依頼頂いていたのだが、今行っている塾の一つで、9月以降の土曜日に中学三年生の「補習」をすることになった。


「補習」といっても、


1) トップ連中のクラス(定期テストで400over、450overの子たち)
2) 古文をやってはいけないという制限以外は全て講師裁量


といったもの。こちらのやる気も上がろうというもの。「補習」という呼び名であるのはおそらく、「無給」だからであろう(涙・・・)


この塾、特にここの教室長は歳はボクとほとんど変わらないが、まぁ、人をこき使う・・・中間テストや期末テストの時期になると山のように「補習」を入れなければいけない。当然、「補習」である。小テストを実施して、合格できない生徒は居残りさせる。居残りさせた分については「補習」の範疇である。


とはいえ、ボクとしてはそこから得られるものがあまりにも多いので、自分に無理のない範囲でさせていただいている。教室長も人の扱いに長けていて、呑みにいけば奢ってくれたり、時給アップの為に経営陣に働きかけてくれたりなどをしてくれる。


今回の「補習」も恒例行事のようだが、


やりたいように
長期的プランをもって


やるように指示してくれる。普段の国語カリキュラムについて愚痴をこぼしているボクの姿を見て、そのように言ってくれたのだろう。とりあえず、当初は公立高校の過去問題を演習方式でやって生徒の「国語力」を見極めてから、方針をたてていきたいと思う。

評論文と小説、どちらが簡単?


ずっと仮面ライダーだとかドラゴンクエストだとか、おっさん坊やののエンタテイメントの話バカリ書いてきたので、少し真面目な話を。


最近は仕事の関係で高校生に国語を教える機会がなくなってしまい、目下中心は中学生。彼らに国語を教える場合、いろいろなやり方がある。勤めている塾それぞれで学校準拠のもの、塾用に編集されたテキストなど扱う文章が異なる。


扱うテキストや学力に違いはあれど、総じて


小説は簡単、評論は難しい


という意識があるようだ。


授業中に時間を計って解かせてみると、


何が書いてあるのかわからない


という声がよく上がるのは評論文の方で、小説でそうした声があがることはほとんどない。けれど、事実は異なっていて、


評論が簡単で、小説は難しい


のだ。というのも、これは単に慣れの問題(スキーマの問題)があるからだ。


幼児の頃からの十年以上の間、小説に限らず、マンガ、アニメ、ゲームなど様々なものから彼らは「物語」に接してきた訳で、しかもそうした物語は、週刊少年ジャンプに代表されるように「努力・友情・勝利」というテーマを多く取り扱っている。そして、石原千秋氏が言うように、学校空間で生徒に出される小説は「成長譚」が多い。うまくリンクするので読みやすいように感じるのだろう。


対して、評論文は学校や塾で読むほか、接する機会はあまりない。新書を読みふけっている中学生をボクは未だ見たことがない。読みにくく感じるのは当たり前だ。しかも成長期にある彼らにとっては、「慣れ親しんだ文章ではない」というだけで、慣れの問題ではないその問題を


「わからない」


という一言ですましてしまう。


ボクは授業中には、


評論文というのは、筆者が読者にわかってもらおうと努力をしている。だから、その為の「目印」というのはふんだんに使っているからその目印をきちんと拾っていく努力を読者もしよう。


と指導している。その癖をつけて、コツをつかめれば国語、特に評論文に関しては安定してくる。ところが、小説はそうはいかない。みなが慣れ親しんできたものであればあるほど、その「読み方」は人それぞれである。だからこそ、出題者の意図をきちんと汲み取って、それに応じた解答をするということが困難である。しかも評論文のように「目印」が明確にあるわけではない。


ボクはあえて授業中に、


点数の問題じゃなく、「評論文より小説の方が難しいな」と実感出来れば、国語の力がついてきた証拠


と発言している。今教えている生徒たちがこれからどれほどの伸びを見せてくれるのか楽しみな所ではある。


ちなみに、昨日書いた、ドラゴンクエスト9批評(というほどでもないか)について。あぁ、書き足らんなという所があったので、一点だけ。


物語中盤からキーになってくる、女神の果実(これがドラゴンボールと評されるのだが)。それを食べた人間たちが自分では制御出来ない程の大きな力を手に入れてしまい、世界を混沌に陥れる。あえて言えば、


古いんだよなぁ・・・


女神の果実を科学技術のメタファとして捉えればということだが。時代はその先を行っているはずなんだけどなぁ。やはり、次回作に期待ですな。

ロールプレイングとは


遅まきながら、ボクら世代では切り離して語れない、


ドラゴンクエストIX 星空の守り人


をプレイ。大学の勉強の合間に・・・というかドラクエの合間に大学の勉強をして、やってみた感想は・・・


ドラゴンボールやんけ!!


ネットでの批評は結構あるが、ガングロ天使がどうこうだとかはボクにとってはどーでも良いこと。もともと評価が低いというのはわかっていたので、それを覚悟の出費(DSを買う所から始めたので、20000円以上の出費・・・)


キャラコスプレが目玉だが、そのほとんどドラゴンボールからの流用
途中のドラゴンボール集め
そして、キャッチコピーの


「ボクらは天使と呼ばれていた」


・・・ドラゴンボールZ後期のエンディングテーマやないけ!!


まぁ、いろいろとツッコミどころ満載の今回のドラゴンクエスト9。出費が出費なだけにあえて擁護派にまわろうとしたが・・・話が短すぎるという所も合わせて、残念だった。


ドラクエにモンスターハンターのような要素は求めていないし、あくまでもストーリーで魅せないと・・・やりこみというのはあくまでも追加の要素でしかないわけで。しかもそれはユーザーが勝手に創意工夫して行うべきものであって。ソフトメーカーが、ましてやドラゴンクエストがそれを前提にしてはいけないとボクは思う。


鳥山明の描いたキャラクターが自分の分身となる・・・そして重すぎず、軽すぎず、いわゆる王道な物語の中で縦横無尽に活躍する。その為にメタルスライム系と戦い、逃げられ、倒し、強くなっていく。そうしたものがドラクエの王道たる所以だ。それこそがロールプレイングではなかろうか。


次回作はWiiで出るらしいが、その為にまたハードを買うのかどうか、わからない。是非とも原点回帰してもらいたいと思う。10作目ということで変なお祭りにならないようにだけ願っている。




ドラゴンクエストIX 星空の守り人【50万ポイント山分け0723】

生徒からのうれしい質問



塾は夏期講習真っ最中。大学の授業の合間を縫ってボクも授業をしている。


授業後に中学3年生が質問をしてきた。


「あの・・・ボク、国語が苦手なんですけど、なにか良い問題集ありますか」


真っ先に思ったのは


「復習をしなさい。もう一度問題を解くように」


ということだったが、このような質問をされるのは初めてのこと。こちらが「あれをしなさい」「これをしなさい」ということはあっても、


オススメを聞かれるのは初めて。


伝えたい病がむくむくっと起き上がってきて、薦めたのが、一連の問題集。




出口の国語レベル別問題集(0(理論編))改訂版




出口の国語レベル別問題集(1(基礎編))改訂版


注意点も口頭で述べ、明日塾に現物を持っていく約束をした。彼にしたのは、


理論編はその他の問題集に比べて難しいから、出来不出来に一喜一憂しないこと。それよりも解答の根拠を照らし合わせることが大切。そしてそれを基礎編で実践的に確認すること。問題集が自分にあっていると思ったら、標準編にすすんでもよいが、夏休みは理論編と基礎編の二冊を消化することを主眼にすること、といったこと。


彼がボクに質問をしてくれたのは、どちらかだろう。


ボクの授業を「ためになる」と思って、同じような説明がされている問題集がないかを聞いてきた。
ボクの授業では「話にならん」と思って、もうすこしなんとかならんのかという意味で問題集でもやってみるかと聞いてきた。


前者であってほしいと思う今日この頃。


本当は下記のような問題集も薦めたいんだが、ちょっとレベルが高いからなぁ・・・




評論入門のための高校入試国語




小説入門のための高校入試国語

少し違った井伊直弼像



風雲児たち幕末編(15)(リイド社 みなもと太郎著)読了。


舞台はいよいよ、日米修好通商条約調印へ。前巻で井伊直弼が大老に就任したところはスゴく面白かった。それまでは慇懃にしていた井伊が大老になった瞬間、いっきに幕閣内の人事改革をしていくというもの。でも、それは彼なりの苦渋の決断だった訳で・・・という描き方がなされている。


ボクが幼い頃に持たされていた田沼意次のイメージをがらりと変えてくれたのが、この作品。井伊直弼のイメージも随分変わっていくのではなかろうか。それまでの老中筆頭、阿部正弘を抜群の調整家として描き、井伊につなげるといってもいい、堀田正睦を有能だが、調整能力に欠ける人物として描いていた。そして、井伊は・・・


幕府を立て直すために、あえて泥をかぶる人物


として描かれている。批判を一手に引き受け、(まだ描かれていないが)桜田門外の変につなげようとしている。ただ、安政の大獄はどのように描くつもりなんだろうか。興味深い。一橋慶喜との様々なやり取りはすでに司馬遼太郎の『最後の将軍』などで読んだからすでに知っていることだったが。


そして。この巻のもう一つの山場は幕末の巨星、島津斉彬の没。NHK大河ドラマ『翔ぶが如く』では、西郷隆盛の視点で描かれている為に、島津斉彬が死ぬ直前、どのような政治運動が行われたかが詳細に描かれている。


ところが、こちらは幕閣を中心に描いているので、さらっと触れる程度。いかに斉彬が壮大な計画を立てていたのか、その辺りの説明はなされていて面白いが。


そろそろ次巻は安政の大獄だろう。もしくはその直前か。ぜひとも著者には元気に執筆を重ねていってもらいたいものだ。




風雲児たち幕末編(15)
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